第4回集中スクールへの道

DSC_0016.JPG第4回集中スクールは、残り1年と迫ったプロジェクトの最終段階の入り口として、極めて重要な位置づけとなるイベントでした。何よりも、遅れ遅れになっている、パリで実施する「東北を世界にアピールする」イベントの中身を決定することと、「シナリオ」「産官学連携」「コミュニケーション・PR」「セルフドキュメンタリー」の4つのテーマ別活動のアクションプランをつくることが急務でした。
 「イベント」で言えば、5月にはリーダーによるパリ事前視察が行われ、パリ市内の関係者との協力関係を結び、さらにはシャン・ド・マルス公園を目の当たりにすることによって、自分たちが構想してきたイベント案の「深化」という課題も課されました。「産官学連携」では、イベントの規模を決定する資金調達の期限を12月頭と考え、そこまでに「生徒」「大人」「パリ」の3者においてどのように資金調達を進めていくのかが、イベントの内容と同じくらい重要な課題となっています。そのために、当初保護者への理解を得るための「交流パーティー」が、都内の企業を集めての「パーティー」へと変わり、そのための準備も進められていました。さらには、せっかく東京で行うのであるから、企業を直接訪問し、協力を求める活動も行うことになりました。そもそも東北を離れ東京で集中スクールを行うことになったきっかけも、東京の関係者にスクールの中身を見てもらい、より深く理解を得るとともに、協力を得るためでした。ちょうどパリで行った一連の活動の国内版を行うことになったわけです。
 OECD東北スクールが発足して1年半が経過し、生徒やローカルリーダーの所属に変化が生じそれをのりこえる努力が続けられました。「チャンスを最大限に生かす」努力もぎりぎりまで続けられ、訪問する企業先が決まったのも、開始日当日でした。
(写真は、福島大学スタッフ打ち合わせの様子)

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第4回集中スクールがスタートしました。今回は冒頭から生徒による進行です。全体リーダーからこれまでの到達点と、討論に臨む留意点が示されました。

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今回は、ハンガリーとベルギーからお二人の教育学者が参加されました。「モニタリングして、世界に向けてこのプロジェクトの意義を発信したい」と、参加への意気込みが示されました。

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気仙沼チームからは、会場を取り囲むほどの連凧(天旗)が紹介されました。そのスケールに驚きました。

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いわきチームのドミノの構想もついに明らかになりました。6角形の形に並べるということで、フランスの国土の形が「六角形」と呼ばれていることで、ガッドさんも喜んでいました。

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伊達チームでは、自分たちで開発した地元の果物を使ったゼリー「伊達の恵」が、ポスターとともに紹介されました。現時点で4000個も売れてしまい、在庫がほとんどない状態だとのこと。

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2日目、イベントの全体案が示されました。会場の図もかなり進化しました。バルーンの高さは各地域を襲った津波の高さを表します。これによってパリ市民に津波の大きさを実感させることができます。

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全体と各地域の考案したイベント案に対して、全員でクリティーク(批評)を行いました。調達できる資金との関係もあり、柔軟性のある企画で進めていくことが全員に認められました。

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2日目の同じ時間、取組発表会の記者説明が行われていました。OECD東北スクールの概要の説明の後、皇太子ご夫妻とご会釈を行う予定の生徒達が紹介され、詰めかけた記者の皆さんからたくさんの質問をいただきました。

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午後から、「シナリオ」「産官学連携」「コミュニケーション・PR」「セルフドキュメンタリー」の4つに分かれて、今後の展開につて話し合いました。大人と生徒のチームワークが印象的でした。翌日のための準備は深夜まで続きました。

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3日目、OECD東北スクールの開始時よりお世話になった文科省・今泉参事官(元OECD日本政府代表部)による講話をいただきました。今私たちが世界に向かう意味が示され勇気づけられました。

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同じく、桜の植樹やイベントへのアドバイス、パリへの事前視察等、多くの場面でたいへんなお世話をいただいた吉川元偉国際連合日本政府代表部大使(元OECD日本政府代表部大使)からも、初めてお話しをいただくことができました。夕方お帰りの際には、すべての生徒達に、それぞれお別れの挨拶をいただきました。

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今泉参事官、吉川大使の講話を聞く生徒達。一言も逃すまいと、iPadにメモしている。

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下村文科大臣へ、伊達チームの開発した果物ゼリーを紹介する様子。下村文科大臣は、第3回集中スクールに続いての交流です。

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いよいよ、取組発表会が始まりました。冒頭、主催者を代表して入戸野福島大学学長から得意の手品をまじえての挨拶をいただきました。

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この取組発表会には、2年ぶりのご公務となる皇太子殿下と雅子妃殿下がお見えになりました。生徒達の発表を熱心にお聞きになっていらっしゃいました。

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文科大臣、吉川大使のご挨拶に続いて、生徒達の取り組み発表となりました。3名の生徒が震災後のそれぞれの体験と思いを切々と語り、詰めかけた関係者に感動を与えました。これまでで最高のプレゼンテーションとなりました。

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統括責任者の福島大学の三浦教授から、プロジェクト全体の目的と今後の見通しが示されました。

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OECD教育局次長兼事務局長教育顧問のアンドレアス・シュライヒャー氏から「世界に発信するに値する重要な取り組み」と評価されました。

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OECD東北スクールは、OECDの田熊アナリストが東日本大震災復興支援財団へ予算を申請するエピソードから始まりました。その思いを語る荒井同財団理事。

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生徒代表者による皇太子ご夫妻とのご会釈の様子。一人ひとりにご丁寧に言葉を掛けていただき、生徒はこれまでの思いを語りました。感動のあまり涙を流す生徒も。

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関係者交流パーティーの様子。70近くの企業や協力者が一堂に集い、100名の生徒は役割分担をして、ご参加いただいた方々にプロジェクトを説明し、協力をお願いしました。

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関係者交流パーティーの様子。生徒からメッセージカードが手渡されます。

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パーティーの最後は、恒例の「環」になって「WA〜」と叫ぶセレモニーで決めました。最終日、生徒達はいくつかの企業に直接上がらせていただき、協力を要請してきました。

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最終日、生徒達が都内の企業をまわっている間、大人たちは「教育改革についての熟議」。シュライヒャー氏やガボー氏らも参加し、自由に意見交換を行いました。

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