It is an honour to embark on this ‘Mission: Possible’ with you. You have experienced the tragedy of the Great East Japan Earthquake and rebounded with such courage and determination. We have a lot to learn from you. It is through the lifelong process of learning that we conquer our future and have access to new horizons. As students of the OECD-Tohoku School, you are ambassadors, appealing to the world to discover your imaginative and creative efforts in the recovery of your beautiful region and country. Learning has no borders; it is a gateway to the world.

Barbara Ischinger,
Director, Directorate for Education




 皆さんと、この「ミッション・ポッシブル」に乗り出すことができ光栄です。
 皆さんは、東日本大震災の悲劇を経験し、勇気と決断ではね返してきました。私たちは皆さんから多くのことを学ばなければなりません。
それは、私たちが未来をかちとり新しい地平線にたどり着くため、生涯にわたる学びを通してです。
 あなた方はOECD東北スクールの生徒として、美しい地域と国を取り戻し想像的・創造的な努力を発見するよう世界に訴える大使です。
 学習には境界がありません、それは世界への入口です。

OECD教育局 局長 バーバラ・イッシンガー





「このままではいけない」という始まり




震災以来、福島は津波・放射能汚染・健康被害……様々な不安が私たちを襲いました。しかし今、私たちの生活は震災前と変わらない、穏やかな生活に戻ったように見えます。



 しかし、心には傷跡が残ったままで、心のどこかにぽっかり穴が空いているような気持ちのまま、それでも静かに過ごせるのなら、それだけで十分というあきらめがあり、放射能汚染に不安を残したまま、中途半端な気持ちで、毎日を過ごしているような気がします。



 そんな時、「OECD東北スクール」へ参加し、他の県の震災被害に遭った友達とたくさん出会うことができました。話を聞くだけで涙が止まらないような、私の想像以上の経験をした友達がたくさんいました。それでもみんながんばっていました。現実を受け入れ、乗り越えようとしていることは、とてもたくましいと思いました。



 私たち、伊達市は、他の被災地とは違う、放射能汚染とたたかっています。先の見えない風評被害に過度の被害妄想まで加わって、畑仕事が生きがいだったお年寄りの人たちまで、ひっそりとしてしまったような気がします。



 しかし私たちは、これからますます重くのしかかるであろう風評被害とたたかっていかなければなりません。もう一度、野菜や果物、食べ物の豊富な福島県を取り戻さなければいけないのです。



 私にとって「東北スクール」は、「このままではいけない」という始まりです。今まで不安そうな親や大人の方たちを、ただ見ていただけだった私たちに、何ができるだろうか。この大好きな福島のために、何をしなければならないのだろうか。この東北スクールに参加させていただき、たくさんの大人の方々の協力を得て、私たちに今できる最高のことを考えていきたいと思う。



 「震災」という敵に押しつぶされないように。


 (福島県・伊達市立梁川中学校 佐藤優里奈さん)






2011 年3 月11 日、東北地方東の海岸線上で、約2 万人もの尊い命が失われた
しかし、その海岸線の上で何倍もの人々の命も救われた
生と死の境界線
絶望の境界線から 希望の境界線へ

シンボル〈生命の葉脈〉の中心は、津波の直撃を受けた東北地方の海岸線を表している。